Root One

数学中心のブログです。

シンプルで非自明な等式

10adic の世界で発見した美しい等式に関する話です。

10 adic の世界とは

実数は良く知られた世界で端的に言えば

 1 = 0.99999999\cdots

が成立する世界の話です。

一方、10 adic numbers という世界があって、これは比較的最近(100年ほど前?)

に発見されたもので、

 -1 = \cdots 9999999  

が成立する世界です。

10 adic の世界はようするに

 \mod 10^{\infty} 

の世界だと思うと理解しやすいです。

モッドの世界では以下が成立します。

 -1 \equiv 9 \mod 10

 -1 \equiv 99 \mod 10^2

 -1 \equiv 999 \mod 10^3

この極限的世界が10adic の世界です。

発見した等式

10adicの世界で筆者は2019年くらいに次の等式を見つけました。

 3^{1+\sqrt{1}} = 4 + 5 \sqrt{1}

ここで1の平方根は非自明なもので一桁目が9から始まるものとします。

 \sqrt{1}= \cdots 239954784512519836425781249.

自明な1の平方根をとった場合

もし、1の平方根として自明なものつまり

 \sqrt{1} = 1

を選択すると上記の等式は

 3^2 = 4 +5

を意味しますが、これは実数の世界でも10adicの世界でも自明に成立します。

鑑賞ポイント

(1) オイラーの公式の10adicバージョンといえるようなものですが、

オイラーの公式とは違い実際に左辺  3^{1+\sqrt{1}} と右辺   4 + 5 \sqrt{1}

が独立に近似計算できるので、手を動かしてあるいは計算機を動かして等式の成立を実感できます。

(2) 自明でないにもかかわらず、非常にシンプルである点に注目です。

日々、新しい数式は山ほど発見されているはずですが、これほどまでにシンプルな等式は近年では珍しいのではないでしょうか。

(3) (専門家向け)オイラーの公式的な議論で簡単に導出できるだろうと思うかもしれませんが、実はそこまで単純な議論では導けません。

右辺が  4+5\sqrt{1}であり、 4\sqrt{1} + 5 ではない点が重要です。実際に導出しようと思えばこの意味は分かると思います。つまり、見た目以上に自明でないということです。

何の役に立つか

いつかどこかで応用されるだろうと期待しています...