Root One

数学中心のブログです。

自明でない1の平方根は無理数

自明でない1の平方根

\sqrt 1

と記述します。

自明でないというのは

\sqrt 1 \neq \pm 1

という意味です。

そんな数は存在するのかという話ですが、普通の数の世界では存在しませんが、

無限桁の整数を許す10adicな世界では存在します。

(10 adic については過去記事で何度か述べていますが、本記事最後にすこし補足します.)

これが無理数であるというのが次の主張です。

主張

自明でない  \sqrt 1 無理数である。

証明.

a,b  を互いに素な整数として

 \displaystyle \sqrt 1 = \frac{a}{b}

とおきます。非自明な \sqrt 1 なので、

 a=b=\pm 1 のケースはあり得ません。

両辺を2乗して分母をはらうと

 b^2 = a^2

が得られます。互いに素と仮定しているので、左辺と右辺は異なる素因数分解を与えるか、あるいは

 1 = \text{素数の積}

となります。後者の場合は明らかに矛盾ですし、前者のケースでも

素因数分解の一意性に反するので矛盾です。

(自明な1の平方根であると、1^2=1^2となって矛盾は起きません. )

ちなみに、10adic の世界でも循環する無限桁の整数はかならず有理数で表現できますので、\sqrt 1 は循環しない無限桁の整数であることがわかります。

自明でない1の平方根について

自明でない1の平方根は、2個ありますが、そのうちの一つの最初の26桁は

次の数になります。

\sqrt 1 = \cdots 39954784512519836425781249

上の数(右辺)を二乗して最初の26桁をみると「ある意味」 1 に近い数であることが確認できるはずです。

10 adic などという専門用語を使ってますが、要は

 \mod 10^\infty

の世界の話だと思えば親しみやすいかもしれません。