Root One

数学中心のブログです。

フィボナッチ数列の部分列

ここでは、フィボナッチ数列は初項 0 として定義します。つまり

\[f(n+2) = f(n+1) + f(n) \quad (f(0)=0,f(1)=1) \]

という漸化式を満たすものとして定義します。

いくつか計算すると

\[0,1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , 144 , 233 , 377 , 610 , 987 , 1597 , \cdots \]

となりますが、今回は初項0から出発して、(p-1)項飛ばしたフィボナッチ数列が満たす漸化式について調べます。

1項飛ばしのフィボナッチ数列

初項から初め、1項ずつ飛ばしたフィボナッチ数列

0, 1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , ...

と色を付けて大きくした数列になります。

これを a_n と置くと

\[a_{n+2} = 3a_{n+1} - a_n \quad (a_0=0,a_1=1) \tag{1} \label{an23an1}\]

という3項間漸化式を満します。

この関係式は、

フィボナッチ数列の母関数とその応用例 - Root One

において、少し大げさな方法で導きましたが、ここでは証明を与えてみます。

証明.

\eqref{an23an1} をフィボナッチ数列で書きかえると

\[f(2n+4) = 3 f(2n+2) - f(2n) \]

となりますが、

\begin{align*} f(2n+4) &= f(2n+3) + f(2n+2) \\ &= 2f(2n+2) + f(2n+1) \\ &= 3f(2n+2) - f(2n+2) + f(2n+1) \\ &= 3f(2n+2) - f(2n) \end{align*}

と変形して証明完了です。

このように完成形が分かっていれば証明は易しいといえます。

2項飛ばしのフィボナッチ数列

では、2項飛ばすとどうなるか調べてみます。2項飛ばしは

0 ,1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , 144 , 233 , 377, ...

と色を付けた部分になります。

この数列をやはり同じ記号で a_n と置いて、規則を予想してみると

\[a_{n+2} = 4a_{n+1} + a_n \quad (a_0=0,a_1=2) \tag{2} \label{eq:a24an2}\]

という関係式が自然に見つけられると思います。

実際これは正しく、証明も1項飛ばしの場合と同じように可能です。

(p-1)項飛ばしのフィボナッチ数列

3項とばしは、

0, 1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , 144 , 233 , 377 ,... 

となるので、a_n とおいて、予想してみると

\[a_{n+2} =7a_{n+1} - a_n \quad (a_0=0,a_1=3) \]

となり、

4項とばしは、

0, 1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , 144 , 233 , 377 , 610 , 987 , ....

となるので、a_n とおいて、予想してみると

\[a_{n+2} =11a_{n+1} + a_n \quad (a_0=0,a_1=5) \]

となりそうです。

ここまでやってみると、規則性が見えてきますので、一般化して次の予想が得られます。

(p-1)項飛ばしのフィボナッチ数列

\[ a_{n+2} = \frac{f(2p)}{f(p)}a_{n+1} + (-1)^{p-1} a_n \quad (a_0=0,a_1=f(p) ) \]

を満たす。

これをフィボナッチ数列 f だけを使用してかきかえると

\[f(pn + 2p ) = \frac{f(2p)}{f(p)} f(pn+p) + (-1)^{p-1} f(pn)  \]

となります。

問題は証明ですが、一応できました。しかし、フィボナッチ数列の加法定理とよばれるものをごりごり使用していくもので、あまり美しいとは言えないものです。したがってここで述べることはしません。(書くだけでも結構大変です.)

ただ証明したい関係式自体がある程度複雑なので、証明が複雑化するのは仕方ないかもしれません。

(もちろん、このような関係式が知られていないわけないので、新発見などというつもりはありません。)

まとめ

フィボナッチ数列自身は3項間漸化式として定義されますが、0から始まり、k項ずつ飛ばした部分列を考えてもやはり、3項間漸化式を満たすことが分かりました。

前回の記事

フィボナッチ数列の隠れた非線形3項間漸化式 - Root One

によれば、f(2^n) という部分列を考えても3項間漸化式になったので、フィボナッチ数列というのは、その部分列に多様な3項間漸化式を持った数列といえそうです。