Root One

数学中心のブログです。

10adicルート1の収束の良い連分数展開

今回は10 adic number の世界のお話です。

非自明ルート1(前提となる知識)

このブログでは10adicの世界の非自明ルート1を \sqrt{1} と記し

 \displaystyle \sqrt{1} = \cdots 25781249

となるものを取っています。実際、二乗して

 \displaystyle (\cdots 25781249)^2 = \cdots 000000001 = 1

が確認できます。

このルート1を表現する方法はいくつかありますが、その一つが10adic 連分数展開を用いる方法です。

10adic連分数展開

10adic連分数展開の手法はいろいろと考えられそうですが、

一般10adic連分数展開 - Root One

で述べた手法を取ります。

この記事でも述べましたが、\sqrt{1} 自身を展開すると

 \displaystyle \sqrt{1} =9 + \frac{\,\,40\,\,}{\displaystyle 1+ \frac{10}{\displaystyle 3+\frac{10}{\displaystyle 3 + \frac{20}{\displaystyle 1+ \frac{20}{\displaystyle 1+ \ddots } } } }}

のように簡単な規則は見えません。しかし、不思議なことに適当な自然数倍をすることで規則が見えることがあります。

 \displaystyle 7\sqrt{1} =3+\cfrac{20}{3+\cfrac{10}{3+\cfrac{10}{3+\cfrac{10}{3+\ddots}}}}

 \displaystyle 9\sqrt{1} =1+\cfrac{40}{1+\cfrac{20}{1+\cfrac{20}{1+\cfrac{20}{1+\ddots}}}}

今回、もう少し大きい自然数をかけるとどうなるか試したところ、次の関係式が見つかりました。

 \displaystyle 41\sqrt{1}=9+\cfrac{800}{9+\cfrac{400} {9+\cfrac{400} {9+\cfrac{400} {9+\ddots} } } }

この連分数の分子は100で割れるので、2桁ずつ決定して収束していくことがわかります。

以下、実際この計算を行ってみます。

まず、

 \displaystyle \frac{1}{41} = \cdots 56097561

を計算しておきます。(10adicの分数計算はmodの世界の逆元計算に帰着できます。もし10桁求めたかったら、mod 10^10 の世界で逆元を計算すればOKです。)
連分数を最初の9で打ち切ったもの.

 \displaystyle \frac{9}{41} = 9\cdot (\cdots 56097561) = \cdots 04878049

となり \sqrt{1} と2桁一致します。
連分数を2番目の9で打ち切ったもの.

 \displaystyle \frac{1}{41} \left( 9 + \frac{800}{9} \right) = \frac{1}{41} \cdot \frac{1}{9} \cdot 881= (\cdots 56097561)\cdot (\cdots 88888889) \cdot 881 = \cdots 661249

となり \sqrt{1} と4桁一致します。
連分数を3番目の9で打ち切ったもの.

 \displaystyle \frac{1}{41} \left( 9 + \frac{800}{9+\cfrac{400}{9}} \right) = \frac{11529}{19721} = \cdots 3781249

となり \sqrt{1} と6桁一致します。

感想

10adicの世界の41は特別な数です。というのも、実は、平方数以外で平方根が存在する最小の自然数だからです。そして、この特別な数を \sqrt{1} にかけることで、収束の良い連分数展開が生じるというのは、ただの偶然かもしれませんが、不思議な気がします。