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最も単純な 10 adic 連分数展開

黄金比の連分数展開は単純で、美しいともいえるかもしれません。

逆に見て、最も美しい連分数展開で表現されるものが黄金比だと捉えることにすれば、10 adic 連分数展開の「黄金比」なるものを、もっとも単純な連分数展開で表現できるものとして定義しても良いかもしれません。

命名の話はさておき、10adic的に収束する最も単純な連分数展開の形がどんな数に収束するのかをみてみましょう。

前回の記事で「10adic 的に収束する連分数展開」の例を見ましたが、再掲します。

 \displaystyle a_0 + \frac{10b_0}{\displaystyle a_1 + \frac{10b_1}{\displaystyle a_2 + \frac{10b_2}{a_3 + \raise{10pt} _{\lower{13pt} \ddots } } }}

ここで a_n (n\geq 1) は「10と互いに素」で、b_n は整数です。

この形で、非自明で最も単純なものは、

 \displaystyle a_n=1,\quad b_n=1

のケースでしょう。実際

 \displaystyle s = 1+ \frac{10}{\displaystyle 1 + \frac{10}{\displaystyle 1 + \frac{10}{1 +\raise{10pt} _{\lower{13pt} \ddots }} }}

とおいて、どのような値になるかを調べてみます。定義式からすぐに

 \displaystyle s = 1 + \frac{10}{s}

が成立することがわかるので、s の決定は二次方程式

 \displaystyle x^2 - x - 10 =  0

に帰着されます。これをとくと

 \displaystyle x = \frac{1\pm \sqrt{41} }{2}

が得られます。しかし、10adic の世界なので、\sqrt{41} の取り方は4つあることに注意が必要です。言い換えれば

 \displaystyle x^2 = 41

の解は10adic number の世界で4つ存在します。

(2adicの世界で2種類、5adicの世界で2種類なので、かけ合わせると4つ出てきます。)

どれがふさわしいかチェックすべきですが、結論だけ述べると

 \displaystyle +\sqrt{41} = \cdots 5932736758703821

となるものを選択するのが正解となります。

つまり、この \sqrt{41} に対して

 \displaystyle \frac{1+\sqrt{41} }{2}=1+ \frac{10}{\displaystyle 1 + \frac{10}{\displaystyle 1 +  \frac{10}{1 + \raise{10pt} _{\lower{13pt}\ddots} } }}

が成立します。

逆にこの式を利用して、 \sqrt{41} の値を計算することも可能です。

sqrt41 (外部サイト)

では数式処理ソフトのmaximaを利用した計算方法を二通り紹介しています。